雪割草の育て方
雪割草の生育カレンダー
雪割草の栽培における、年間を通しての管理を順に説明します。多くの方が開花時期に苗を購入すると思われますので、開花時期である3月から説明していきます。
3月 花を楽しんだ後は、新しい葉が中央から伸びてきます。この葉に十分に栄養を与えることが、翌年の花を充実させることになります。置肥、液肥を十分に与えるようにしましょう。6月くらいまでは肥料を与え続けます。
4月 4月いっぱいはよく陽に当て、葉を丈夫に作るようにします。また、この時期は葉を大きく作るのに水分が欠かせないため、乾かさないよう灌水には気をつけます。終わり頃から、徐々に遮光をしていきます。いきなり暗くするのではなく「徐々に」寒冷紗などで遮光していくようにします。
5月 葉が固まってきたら、消毒をはじめます。
殺菌剤に加え、近年はダニなどの被害も聞かれるので、殺虫剤も一緒に与えるのも良いと思われます。2週間おき位に2種類以上の殺菌剤を交互に用います。
また、植え替えを行う場合はこの時期が良いと思われます。
6月 末頃までにさらに遮光をし、日焼けを防ぐようにします。また、梅雨時期には病気も発生しやすいので、消毒も行うようにします。
7月
8月 夏の暑さの間は休眠しているので、灌水に気を配ります。また、株の状態などを見て、葉やけなどに気をつけましょう。
9月 終わり頃、気温が下がってきたなら、秋の植え替えに入ります。温度が高いうちは乾きやすいため、灌水を多めにします。
10月 ふたたび肥料を与え始めます。遮光を半分にして、芽を陽に当てます。こうすることにより、芽が充実し膨らんできます。
11月 終わり頃までに遮光をはずし、完全に日に当たるようにします。
12月
1月 気温が下がると、ふたたび休眠状態に入っていきます。気温が零下になるような地区では、霜に当たらないように気をつけます。
2月 開花準備に入ります。ナメクジや夜盗虫などに花芽を食べられることがあるので注意しましょう。
以上が簡単な年間スケジュールになります。新潟における管理になりますので、他の地域においては多少の違いが出てくると思われます。また、より詳しいことが知りたい場合は、当店までお問い合わせ下さい。
雪割草の植え替え時期
雪割草の植え替えは、基本的には春か秋のどちらかがお薦めです。
春に行うようであれば、花の終わった直後か、葉が固まった後に行うのが良いと思われます。
春に行うメリットとしては、早いうちに植え替えを済ましてしまうため、開花時期まで時間があるため、翌年の花が充実することです。
秋に行う場合のメリットは、株が分かれるのが秋であるため、増えた株をきれいに分けることが出来ます。
したがって、翌年の花を充実させたい場合、例えば展示会などに飾ることを考えている場合には、春に植え替えを済ませてしまうことをお勧めします。増えた株を分けることを考えている場合には秋の植え替えが良いでしょう。
葉の傷み
葉の傷みについては、大きく分けて二つの場合があると思われます。
一つは、病気やダニによるものです。
この場合には、殺菌剤や殺虫剤など薬品の散布により防ぐことが可能です。殺菌剤は「キノンドー」「ダコニール」「ストロビー」などを、交互に使うことをお薦めします。交互に使うことによって菌に耐性が付くことを防ぐためです。ダニ用の殺虫剤は様々出ていますが、いずれを使うにしても成虫と幼虫、卵とで効く成分が違っていることがあるため、複数回の使用をお薦めします。
もう一つの原因としては、日に焼けたり、または根が傷んでいたりといった発育上の障害が考えられます。日焼けに関しては遮光ネットなどで5月くらいから日よけを行っていきます。夏はほぼ真っ暗な状態でもいい位です。ただし、その場合でも風通しが良い所が望ましいです。また、根の傷みが原因である場合には、一度鉢から出してみて、根の状態をチェックしてみる必要があるでしょう。
施肥の方法
肥料のやり方としては、鉢の上に粒上の肥料を置く「置肥」、水で薄めて与える「液肥」の2種類があります。
やはり両方を併用するのが良いでしょう。
「置肥」は効くまでに時間がかかりますが、効果は長く持続します。
「液肥」はすぐに効果を現わしますが、持続期間が短いといった特徴があります。
「置肥」に関しては、油粕系の肥料を鉢の端に置いていくのが良いでしょう。その場合、葉に肥料があたると葉が肥料やけを起こしてしまうので、葉に当たらないように置いていきます。「グリーンキング」「グリーンサムポット」などがお薦めです。
「液肥」は代表的なものは「ハイポネックス」などがあります。また、「スーパー1」などの油粕系のものも効果があります。
雪割草鉢
雪割草を植え替えする際、どんな鉢に植えたらいいかという声を耳にすることがあります。そこで、雪割草の鉢について説明したいと思います。
雪割草は水を好む植物ですが、ずっと湿気がある状態では根腐れを起こします。また、根が長く伸びる特徴があります。そこを考えて鉢を選ぶことになります。したがって、通気性が良く、深めの鉢を選ぶことがポイントです。当店のオリジナル雪割草鉢を例に解説します。
まず、通気性です。鉢を焼くのに用いられている土に砂が混ぜられているため、鉢の表面に通気性があり、鉢の中が適度に乾くようになっています。また、底穴が大きくなっており、水が下に落ちやすくなっています。
鉢の深さも通常の鉢よりも深めに作られているため、雪割草の根が伸びてきても根腐れすることなく成長します。
このように、雪割草の特徴を考えて鉢を選ぶことが、上手に育てる近道になると思われます。
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